「心理カウンセラーだから、○○してはいけない」
そんな規範意識でがんじがらめになっている
なんてことがあります。
資格を取って、心理カウンセラーとしての修練を積んでくると、
「心理カウンセラーだから」、
・クライエントに対して、肯定的でいなくてはいけない
・クライエントのことを一番に理解していなくてはいけない
・思ってもみない展開に動揺してはいけない
・職場での立場を考えて、輪を乱してはいけない
・苦手を苦手と言ってはいけない 等々。
挙げたらキリがなさそうですが、
いやー、
心理カウンセラーって、聖人君子か何かですかね?
心理カウンセラーに求められるのは、
「このままでいいとは思えない」というクライエントに、OKだと気づいてもらうこと。
なのに、自分にOKと言えないカウンセラーが、他者にOKと言えるかと言ったら、
それは難しいでしょうね。
規範意識を持つこと自体が
悪いわけではありません。
・クライエントとの間で取り決めたルールを守る。
・守秘義務を厳守する。
・クライエントを敬い、配慮する。
言うまでもなく、クライエントの利益を守るためには、規範意識は欠かせないものです。
ですが、「心理カウンセラーだから、○○してはいけない」だけにとらわれてしまって、
自分にも、クライエントにもOKが言えないのなら、
その規範意識は「 自分ならできる 」万能感のファンタジーにまで膨れあがっているかもしれません。
心理カウンセラーだからって、
何でもできる訳ではありません。
特にかけだし時代には、
誠実にまじめにやっていても、わからないこと、戸惑うことがあるものです。
そんなときにも、わからないなりに、
「今すぐには、回答できないので
次回までにもう少し勉強してみます」と
自分の限界を素直に認められるといいですね。
知ったかぶりして答えてしまうよりも、よっぽど誠実です。
「何かあってもいい加減なことはしないだろうな」クライエントにとっても、安心できるでしょう。
人を助けられるのは、人。
自分の限界を知り、規範を守りつつも、
のびやかに、自由に、時に軽やかな人間だからこそ、クライエントの助けとなれるのではないでしょうか。