【心理塾】自分はどうしたいのか?―クロス表を使って

意思決定は
「0か、100かでなされるものではない」と言われます。
どういうことか、というと、
「Aか、Bか選ぶ」というとき
「1:0で、Aだ」と決めたつもりでも、
よくよく思いをくみ取ると、
51:49くらいの僅差なのだ、ということ。

人はいろいろと考えた上で意思決定するもの。
その選択肢しか考えられない、
あるいは
一日中そのことばかり考えてしまっている、
というのは、意思決定とは言えません。

そして、他者の意見に目をやれば、
たとえば「飲酒は、果たしていいことなのか、悪いことなのか」
一つとっても、様々な意見が飛び交います。
もしも「自分はどうしたいのか?」
そんな迷いがあるときには
まず、ご自分の思いを「俯瞰的に」眺めてみてほしいのです。

具体的には、縦軸に「飲酒する」「飲酒しない」をとり、
横軸に「メリット」「デメリット」をとってください。

      メリット | デメリット
飲酒する   第1事象 | 第2事象
飲酒しない  第3事象 | 第4事象
2×2のクロス表を作ります。

ここに当てはまることを、書き出していってください。
第1事象には、「晩酌が一日の楽しみだ」「普段より饒舌になる」
第2事象には、「二日酔いで仕事にならない」「決まって夫婦喧嘩になる」
第3事象に「翌日の目覚めがスッキリ」「運動など他の趣味ができる」
第4事象は「一日の楽しみが減る」「寝つけない気がする」
例えばこのような項目が挙げられるかもしれませんね。

このクロス表には、ごくごく個人的なことも
ためらわずに書き加えてください。
「飲まないとやってられない」
逆に
「お酒の匂いを受けつけられない」
正直な思いをきちんと書き出すことが
大事なポイントです。
さらには、信頼できる人の意見や、
客観的な知見やデータを加えられると、
よりよいクロス表になります。
尚、「飲酒する/しない」について書き出すときには、
もちろん、飲酒していないタイミングで行ってくださいね。

時に、飲酒の善し悪しが議論になるときは、
飲酒の肯定派は、第1事象に少しでも書き加えられると、
「飲酒するしかないんだ」となり、
一方、
飲酒に否定派は、第2事象ばかり強調して、
「ほら、良いことなんてないじゃない」となりがちです。
このままでは平行線となり、
お互いに自分の立場に凝り固まってしまうかもしれませんね。

大事なのは、この「メリット」「デメリット」に
目配りをして、ご自分の意見を選ぶことです。
メリットしかないと思っていることに、
デメリットが見えてきますが、
どんなことにも「必ず」デメリットがあります。
デメリットにも目を向けることで、
「本当はどうしたいのか」に近づくことができます。

そして反対意見の「メリット」にも
目を配ることで、意思決定の繊細さを感じていただけるかと思います。
大概は「どちらかが100%正しい意見だ」と結論を出すことはできません。

ここでは「飲酒」を取りあげましたが、
クロス表は、とてもシンプルなため、様々な場面で活用できます。
食べ過ぎてしまうことや、
お子さんの不登校など、
ご決断や理解に迷うときにも活用できるかと思います。

安心感のあるパートナーシップを目指す
「二級心理士養成講座」を開講しています。
詳しいご案内はこちら

また、「一級心理士養成講座」では、
心理カウンセラーに求められる、
具体的なアプローチについて学べます。

お気軽にお問い合わせください。

ご自分の「強み」を見つめ直したい方に、
「強み」分析ツールをご用意しております。
こちらもどうぞお役立てください。