【心理塾】「強み」を考えるススメ 大場美鈴(楽々かあさん)著「発達障害&グレーゾーンの3兄弟を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」

日常生活を問題なく送るには、実は様々なスキルが必要です。
時間を守る、挨拶ができる、助けを求める

など、何気ないことのように感じるかもしれませんが、
例えば「助けを求める」ためには、
・困ってパニック状態になったとしても、クールダウンができる
・そもそも、助けを求めることが必要だとわかっている
・助けを求めるときの言葉や表情、姿勢がわかっている
・助けてくれた人へ感謝の言葉や表情、姿勢がわかっている 等
多様なことが求められている訳です。

著書には、日常的に求められる様々なスキルを
身につけていくための工夫、
それも、遊びの延長上にできる工夫が、ふんだんに紹介されています。
例えば、周りを見て判断するのが苦手、
いわゆる「空気が読めない」特性に対して、
「空気なんて読めなくていいから、相手の都合や気持ちを聞ければOK」
この著者のスタンスは、サポートの核心をついています。
このスタンスで、子どもと一緒に
・ふざけてはいけない場面
・相手の都合を聞く言葉
のリストをつくって、理解を促していく。

ここには「空気が読めない」特性そのものを、
何とかしようと躍起になるのではなく、
・やってはいけないこと、言ってはいけないこと
・やっていいこと、言っていいこと
具体的に、子どもにわかるように共有する、
丁寧で根気強い関わりがあります。

こうした丁寧な関わりを通して、
「空気が読めない」特性は、むしろ強みとして生かせる。
「自己主張できる」「意志が強い」子どもの側面を守れることがイメージしやすいですね。
こうなってくると、「障害特性」と「強み」とは正に、表裏一体です。

「強みになる」という視点を忘れない。
言うは易く、行うは難しですが、
これができたなら、
サポート側の親御さんにも有益です。
負担はそう簡単になくならないかもしれませんが、
子どもに強みがあると信じられることで、
子どもとの関わりに、変化が生まれていくでしょう。
著書は、実際の親子関係がベースになっているので、
親の立場に寄り添いながら、
障害特性を「強み」として考えることは不可能ではないかも、と思える良書です。

もちろん、「発達障害」の特性を持った子どもにできる工夫とは何か?という点でも、
具体的な工夫のなかから、ヒントを見出せるのではと思います。
「これなら我が家でもできそう!」というものがあれば、
まずは、親御さんが楽しんで取り入れていただければと思います。

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